国際バカロレア (International Baccalaureate)取得と大学進学

4. 教科選択について

国際バカロレアが始まる前(日本では高2の夏休み前)に選ぶ。学校によっては初めの一週間は全部の教科に参加できて、そこから選択というシステムもある。
早い段階なら教科を変更することもできる。が、それまでのカリキュラムは基本自習しないといけないので、早めに決めた方がいい。
ハイレベルだった教科を途中でスタンダードレベルに落とすというのもできる。
大学で何を勉強するかによってどの教科を取るか、またどの教科をハイレベルにするかも変わってくる。

例えば大学で化学を勉強したいなら
化学、もう一つの自然科学、数学 SL 以上

経済なら
経済、もう一つの社会科学、数学 SL 以上
これは一例であり、同じ学部でも要求は大学によってまちまち。

数学に関しては
数学、物理、工学などなら基本ハイレベルが必須。
化学、生物、心理学などならスタンダードレベルでも可能な大学も多い。

文系科目、たとえは法律や歴史などならスタディーズという一番簡単なものでも大丈夫。むしろ必要ないのならスタディーズにした方が簡単だし点が取りやすいので賢い選択である。
もちろん教科を選んでから、取っている教科でいけそうな学部を探すというのも問題ない(むしろこっちの方が多数。)
行きたい大学や学部がはっきりしているなら事前に調べて教科選択のターゲットを絞ることが大切。

以下は私が実際に取った教科の解説です。

Group 1:  English A Literature SL

English A はネイティブスピーカーむけに作られているので、難易度は高い。一年間に読む本の数は、スタンダードレベルで11冊、ハイレベルで13冊。これは国際バカロレアで定められている数であり、学校によってはスタンダードレベルでも13冊全て履修させるという方針もある。

試験はスタンダードレベル、ハイレベルに関わらず二つで、試験問題はどちらも大差無い。ただ、ハイレベルの方が厳しく採点される。

Paper 1
与えられた小説の一節、または詩のどちらかを選び、評論文を書く。スタンダードレベルなら二つの質問が与えられており、それらに答えれば大きく外れたことを言ってしまうことは無い。ハイレベルとスタンダードレベルとでは小説も詩も違う物が与えられる。長さは小説ならだいたいA4ちょうどぐらい、詩なら30行ほど。制限時間は1時間半で満点は20点。(ハイレベルなら2時間で20点)

Paper 2
エッセイのお題が3つ与えられる。一つ選び、事前に読んだ3冊の本(ハイレベルなら4冊)のうち最低でも2冊を使いそのエッセイを書き上げる。制限時間は1時間半で満点は20点。(ハイレベルなら2時間で25点)

私の最終的な結果は5だった。当初から目標にしていた成績だった。

Group 2:  German ab initio SL

ドイツ語の初歩レベル。基本的な読み書きのみ。

課題(Internal Assessment)
350語の作文。自分の文化(日本人の場合日本文化)とドイツ語圏の文化を比較するようなトピックを自分で決める。私は「日本とドイツの朝食の違い」について書いた。

試験(External Assessment)

Paper 1
実際の短い広告や新聞記事などを読んで質問に答える。質問は穴埋め、リストの中から合うものを選ぶ、「彼」とは誰のことですか、などと多岐にわたるがシンプルなものが多い。

Paper 2
作文。お題にそって二つの作文を書く。どちらも最低150文字と短い。お題とは例えば「あなたは小学校の同窓会に参加し、昔のクラスメイトに再会してとても楽しい一日をすごしました。このことを日記に書きなさい。」「あなたは3ヶ月間ドイツに留学しました。この経験を学校の新聞に投稿することにしました。新聞記事を書きなさい。」など。適当に想像して書こう。

オススメの勉強法
練習あるのみ。しかし Paper 2 は、お題のあとに短いリストがあり、それらの要素を含めれば点は取れる。
(リストの例:・パーティーで誰に会ったか・何を食べたか・どこでパーティーがあったのか、など)

私の結果は6だった。

Group 3:  Economics HL

経済。

課題(Internal Assessment)
新聞やニュースサイトから記事を選び、それの評論文を書く。750語がリミット。これを3つ書く必要がある。

  • 1つ目 マクロ経済学(macro economics)
  • 2つ目 国際経済学(international)
  • 3つ目 国の発展(development)かミクロ経済学(micro economics)

記事のなかで何が起こっているかをまとめ、図とその説明、それに関する自分の意見などを書く。

試験(External Assessment)

  • Paper 1 エッセイ問題。Section A, Bとあり、各セクションにつき1つ選択して答える。
  • Paper 2 新聞記事を読んで質問に答える。4題出題されるがそのうち2つを答える。
  • Paper 3 これはハイレベルのみ。計算問題と短い説明問題。例えば、表を元にGDPを計算するなど。

オススメの勉強法
暗記。定義、図、理論の仮定や説明など全部暗記したほうがいい。エッセイのお題も聞かれる質問もある程度パターン化されているので練習が鍵。どんな回答もまずは関係性のある経済用語の定義から始めること。例えば、「ある商品の価格の変化がどのように資源を分配するか、説明しなさい」なら「価格」や「資源」などの定義で始めればいい。

Paper 3 では公式は与えられないので暗記が必要。これも練習に限る。「million doller」などの単位にも注目。説明問題では教科書に乗ってる説明や理由などがそのまま答えな問題が多いのでここでも暗記。
経済は本当に暗記科目。板書は全て覚えてしまおう。言い方を変えれば暗記すればどうにでもなる。

私の結果は5だった。あと1点で6だった。。。

Group 4:  Chemistry HL

課題(Internal Assessment)
自分で決めたトピックでのレポート。実験は必須ではないがやったほうが高評価になる。実験のデータをグラフ化したり誤差の処理をしたりなどが評価につながる。自分がなぜこのトピックに興味を持ち、選んだのかを含める。文字制限はないがページ数の上限は12ページ。(長すぎても余白を小さくしたりフォントを変えたりして12ページに収めればいい)
先生は手伝ってくれるが規則により一度しか見てもらえない。しっかり聞いて修正しよう。

試験(External Assessment)

Paper 1
四択問題40問(40点満点)。時間制限は60分。(スタンダードレベルだと30問を45分)事前に配られるのは元素周期表のみ。

Paper 2
計算問題や記述問題。90点満点で制限時間は2時間15分。(スタンダードレベルだと30問を45分)あらかじめ公式の載った冊子が配布され、電卓も使用可能。

Paper 3
実験データをプロセスする問題と、自由に選択できるトピックの問題。45点満点で制限時間は1時間15分。(スタンダードレベルだと30問を45分)あらかじめ公式の載った冊子が配布され、電卓も使用可能。

オススメの勉強法

Paper 1
時間制限がかなり厳しいので、たくさんの過去問を解いて形式に慣れるのがいい。基本的な理論に基づいたものなども多いので、基礎をしっかりと固めておくことが大切。暗記してれば一瞬でわかるような問題もあるので、授業中に先生が覚えろといった物はきちんと覚えておこう。(例、アルコールの融点を順に並べる、エントロピーとエンタルピー、ギブス自由エネルギーの関係、など)。四択中最低でも1問ははっきり間違いだとわかるので消去法も活用しよう。

Paper 2
時間に余裕があるので落ち着いて考え、記述問題はしっかりすべての要素をカバーするように書こう。(余談だが私の先生曰く「記述問題では、試験官がどうしようもないバカだと思って書きなさい」)計算問題では途中式も明記すること。本当にわからなかったら公式だけでも写して書いておく。これでもたまに点が入る。あと、公式の載った冊子は分厚くて慣れていないと目的の情報が引き出せないことが多々あるので、過去問を解くときに使って慣れるようにしよう。どんな情報が載っているか把握するのも大切。(その冊子は、年度によってフォーマットに微妙な違いがあるので、使って練習するときは年度をよく確認しよう。)

Paper 3
こちらも時間に余裕がある。実験データの問題には、誤差を計算する問題が必ず出るので要チェック。グラフを書くときにはちゃんとすべての点に線が通るように引こう。x軸y軸も確認する。単位が抜けて無いかなど。

私の結果は7だった。

Group 4:  Physics HL

課題(Internal Assessment)
化学と同じ。

試験(External Assessment)

Paper 1
形式はchemistryと同じである。だが、すべての試験で全ての公式が載った冊子が利用可能。paper1 のみ電卓が使えない。

Paper 2
chemistryと同じ。

Paper3
chemistryと同じ。

オススメの勉強法

Paper 1
私が苦手だったこともあってか個人的にこのpaper1が一番の鬼門だった。数値ではなくシンボル(距離がs、時間がtなど)を扱う問題がほとんどなので慣れておこう。これも過去問をたくさん解くのが効果的。特に、惑星が軌道に乗っているときの運動エネルギーと位置エネルギーの関係性のグラフは絶対に一問は出るので要チェック。とにかく時間がギリギリなので手早く、でも冷静に。本当に落ち着いて解いて!

Paper 2
これは時間に余裕がある。基本chemistryと同じだが、ハイレベルになると複数のトピックの知識を応用するような問題が出るので基本を固めてあとは練習。

Paper 3
化学と同じ。

私の結果は6だった。

Group 5:  Math SL

課題(Internal Assessment
化学と同じだが、数学においては自分自身の興味をうまくレポート中で表現するのが難しい。それもうまく視野に入れたトピックを選ぶべき。

試験(External Assessment)

Paper 1
電卓なしの試験。公式の載った冊子は使える。90分で90点満点。

Paper 2
電卓あり。90分で90点満点。

オススメの勉強法

Paper 1
練習。三角関数の問題では、それぞれの0度、30度、45度、60度、90度の変換を暗記すること。radianにも慣れるようにする。あとは、冊子をきちんと把握する。

Paper 2
電卓の使い方に慣れよう。特に、グラフを表示させて解く問題などは手間取ると時間の無駄になってしまう。電卓でグラフを表示して解いた場合は、途中式用の余白に簡単なスケッチをすること。途中式とみなされて点数が入る。

私の結果は6だった。

体験者プロフィール
Minami Kotani

小谷 みなみ
Minami Kotani

2017年国際バカロレア取得
Lyceum Alpinum Zuoz卒業
University College London 在学中

スイス留学 お客様の声:インタビュー

コンサルタントの紹介

コンサルタントの紹介

スイス留学なら実績のFES | 幼稚園 小学生 中学生 高校生

河野 瑠衣

スイス専任コンサルタント
(スイス在住)

スイスの教育環境に関心を寄せていた両親と祖父の意向を受け、13歳(中学2年生)で単独渡欧。サマーキャンプモンタナをはじめ、芸術家の集うモントルーに建つ、当時女子校であったSt. George's Schoolに編入。スイスで最初に設立されたパブリック・スクール(イギリス式名門私立校)の、伝統的且つ進取性に富む校風のもと、約2年を過ごす。
その後の1学年をスキップし、高校2年生に編入。編入先は、国際都市ジュネーブのCollege du Leman。各国から派遣される要人の子弟の為の教育機関として設立された背景を持つLeman校の、ワールドワイドな環境にて高校課程を2000年に修了。
大学進学もジュネーブに残りInternational University of Genevaに入学。経済BBAプログラムを専攻し、大学最終試験に含まれる研修を国連ジュネーブにて終える。
卒業後は、ジュネーブの現地企業にて金融業務に従事後、日本に帰国。
現在、FESスイス留学センターにて、ジュネーブを拠点としながら、スイス-日本を往復。人脈は各ボーディングスクールの代表・学校長をはじめ、現地金融機関、ホテル等と多岐にわたる。 経験者ならではの実体験に基づくコンサルティング・サポートと、欧州ベースならではのフットワークの軽い現地サポートを得意としております。


スイス留学なら実績のFES | 幼稚園 小学生 中学生 高校生

五木田 美香

スイス専任コンサルタント
(東京在住)

スイス留学(College du Leman)をしていた兄の影響を受け、中学卒業後、ローザンヌに位置するBrillantmont International Schoolのサマースクール、アカデミックイヤーに入学。アメリカンディプロマの過程を取得し修了。卒業後は米国州立テンプル大学に入学。在学中にはスイス留学の経験を活かし、FESスイス留学センターのスイス専任コンサルタントとして2年間FESに在籍し卒業生ならではの経験や知識を元にお客様をサポート。大学卒業後はトムソン・ロイターを始めとするIT業界の営業・マーケティング職に6年間従事後、現在はFESスイス留学センターのスイス専任コンサルタントとしてFESに在籍中。